国債って何?買ったことない人のための「日本国債」入門ガイド

投資

「国債」という言葉はニュースでよく聞くけれど、実際に買ったことがある人は少ないのではないだろうか。株やNISAは話題になっても、国債はどこか遠い存在に感じられる。しかし、金利が上がっている今、国債は「安全にお金を増やす選択肢」として改めて注目されている。

この記事では、国債を買ったことがない人に向けて、仕組み、種類、儲け方、買い方まで一通り解説する。


そもそも国債とは?

国債とは、国(日本政府)が資金を調達するために発行する借用証書のようなものだ。国債を買うということは、「国にお金を貸す」ことを意味する。

お金を貸した見返りとして、半年ごとに利子を受け取ることができ、満期が来たら貸したお金(元本)がそのまま返ってくる。銀行預金に似ているが、預け先が銀行ではなく国であるという点が異なる。

国が元本と利子の支払いを約束しているため、一般的に最もリスクが低い金融商品とされている。


個人が買える国債は2種類ある

国債には大きく分けて「個人向け国債」と「利付国債(新窓販国債)」の2種類があり、いずれも個人が購入できる。

個人向け国債

その名の通り、個人が買いやすいように設計された国債だ。最大の特徴は元本保証で、中途換金しても額面(買った金額)が減らない仕組みになっている。3つのタイプがある。

変動10年 ── 満期10年、半年ごとに金利が見直される変動金利型。金利上昇局面では受け取る利子も増えるため、今のような環境に向いている。2026年5月募集分の金利は年1.67%。

固定5年 ── 満期5年、購入時の金利が5年間変わらない。2026年5月募集分は年1.89%。今の金利をそのまま5年間確定できる安心感がある。

固定3年 ── 満期3年、購入時の金利が3年間変わらない。2026年5月募集分は年1.57%。最も短期間で満期を迎えるため、資金の拘束期間が短い。

いずれも1万円から1万円単位で購入可能。発行後1年が経過すれば中途換金もできる(ただし直前2回分の利子相当額がペナルティとして差し引かれる)。最低金利は年0.05%が保証されており、どれだけ金利が下がってもゼロにはならない。

利付国債(新窓販国債)

こちらは機関投資家も買う「通常の国債」で、個人も購入できる。2年、5年、10年の固定金利型がある。最低購入金額は5万円から5万円単位。

個人向け国債との最大の違いは、中途換金の方法だ。利付国債は市場で売却する形で換金するため、その時の市場金利によって売却価格が変わる。金利が上昇していれば元本割れする可能性があり、逆に金利が低下していれば額面以上で売れることもある。満期まで持ち切れば額面通り返ってくるが、途中で売る場合は価格変動リスクがある。


国債でどうやって儲けるのか

国債で利益を得る方法は主に2つある。

1. 利子(インカムゲイン)を受け取る

最もシンプルな方法。国債を保有していると、半年ごとに利子が支払われる。たとえば固定5年(年1.89%)を100万円分購入した場合、税引前で年間18,900円、半年ごとに約9,450円の利子を受け取れる。

ただし、利子には20.315%の税金がかかるため、手取りは年間約15,062円になる。100万円の銀行預金(普通預金0.2%程度)なら年間約2,000円なので、その差は歴然だ。

2. 途中売却で値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う

これは利付国債の場合に使える方法だ。国債の価格と金利は逆方向に動くため、金利が下がると国債の価格は上がる。たとえば金利2%のときに買った国債を、金利が1.5%に下がったタイミングで市場で売れば、額面以上の価格で売却できる可能性がある。

ただし逆もまた然りで、金利がさらに上昇すれば価格は下落する。この方法はある程度の相場観が必要であり、初心者が最初から狙うものではない。

なお、個人向け国債は国が額面で買い取る仕組みなので、値上がり益を狙うことはできない。その代わり元本割れしないという安心感がある。


どこで買えるのか

個人向け国債は、全国約880の金融機関で購入できる。証券会社、銀行(メガバンク・地方銀行)、ゆうちょ銀行、JAなど幅広い窓口で取り扱いがある。どの金融機関で買っても、金利や商品条件は同じだ。購入時の手数料もかからない。

購入の流れは以下のようになる。

まず、金融機関で国債用の口座を開設する。ネット証券であれば、証券総合口座を持っていればそのまま購入できることが多い。次に、毎月設定されている募集期間中に購入を申し込む。購入金額は1万円単位で指定でき、申込後は発行日に国債が口座に反映される。

ネット証券(SBI証券、楽天証券など)であれば、スマホやPCから数分で手続きが完了する。主要なネット証券では購入金額に応じたキャッシュバックキャンペーンを実施していることもあるので、購入前にチェックしておくとお得だ。


今の金利環境で国債はどう位置づけるべきか

2024年まではほぼゼロに近かった国債の金利が、2026年5月現在では1.5〜1.9%台にまで上昇している。普通預金が0.2%前後であることを考えると、国債は「元本を守りながらそこそこの利回りを確保できる商品」として、かつてないほど魅力が出てきた。

特に「変動10年」は、今後さらに金利が上がれば受け取る利子も増えるため、金利上昇局面で有利だ。一方、「今の金利水準がピークに近い」と考えるなら、固定5年で今の金利を確定させるのも一つの戦略になる。

もちろん、株式やNISAのような大きなリターンは期待できない。しかし、元本を減らしたくない資金の置き場所として、銀行預金の代わりに国債を選ぶという考え方は、金利のある時代だからこそ合理的だ。


まとめ

  • 国債は「国にお金を貸す」こと。国が元本と利子の支払いを保証する
  • 個人が買いやすい「個人向け国債」は3種類(変動10年・固定5年・固定3年)
  • 1万円から購入可能、手数料無料、1年経過後は中途換金もOK
  • 利子(インカムゲイン)が基本の儲け方。利付国債なら値上がり益も狙える
  • 証券会社や銀行、ゆうちょなど全国約880の金融機関で購入できる
  • 金利が上がっている今、銀行預金の代替として検討する価値がある

国債は地味な存在だが、「金利のある時代」に入った今、改めて知っておいて損はない金融商品だ。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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